2009年05月14日

ライブラリー(20)手さぐりの中から展の幕を引く





「ムシロフェンス」からスタートした個展「手さぐりの中から」シリーズの幕を引いた生活創庫APITAスタジオ個展のDM



足助の山中で炭を焼く

1987年の夏、私は足助の山中に炭焼きのオヤジを訪ねた。「お前さんたちは炭焼きを舐めている」と、ケンもほろほろに追い返されてしまった。退路を絶っていた私は一升瓶を持って頭を下げ続けた。そんな風にして小さなログハウス一軒分を炭にしたプロジェクトがはじまった。最後に窯の焚口が開いたときは展覧会の搬入まで一週間を切っていた。





檜の炭、白い風船|パフォーマンス真野利郎(現代フルート)、野々村明子(モダンダンス)|生活創庫APITAスタジオ(名古屋)1988年1月










作品ライブラリー(15)で「もう一度戻りたい場所がある」とINAX窯のある広場の個展をとりあげた。生活創庫APITAスタジオの個展もまた同じ意味で、叶うものならもう一度戻りたい。目を閉じると足助の山と真っ黒になって手伝ってくれた仲間の顔が鮮やかに浮かんでくる。作品集の計画を決めたのもこの個展の会期中だった。
  


Posted by かとうさとる at 02:42 | Comments(0) | 作品ライブラリー