2009年03月22日

ライブラリー(17)はかた夢松原と川口道子さん



福岡市美術館広場で開催された現代いけばな公募展(福岡)1987年



イベントの時代を駆け抜ける

作品ライブラリー(15)で、「もう一度戻りたい場所がある」とINAX窯のある広場の個展について記したが、確かに何かが弾けた。思いつくまま87年~89年、三ヶ年の足跡をざっと記すと。

(87年)個展(INAX窯のある広場)、華工房展(栄NOVA)、現代いけばな公募展(福岡)、華工房野外展(昭和美術館)、いけばなグループイベントinYOKOHAMA(横浜)、87いけばな公募展(東京)

(88年)個展(APITAスタジオ)、華工房展(新幹線高架下)、前田公園イベント(豊田市)、六所神社イベント(農村舞台)、桜島イベント(桜島)、個展(画廊みずの)、ラッキーキャットイベント(大曽根)、88いけばな公募展(東京)

(89年)個展(新栄画廊)、個展(田村画廊)、野々村明子ダンスシリーズⅠ~Ⅴ「野原よりの手紙」(七ツ寺共同スタジオ)、アジア現代いけばな公募展(福岡)、公募ザ・ワークスinとこなめ(焼き物散歩道)、現代いけばな89(銀座松屋)などなど。

さすがに最後は息が切れたが、よく駆け抜けたものだと思う。


はかた夢松原と川口道子さん

余談に逸れたが、「8人の会」に端を発したアンデパンダン方式によるいけばなイベントは、五箇山、常滑、豊田、秋田、新潟、金沢、名古屋と伝播し、86年には九州に飛び火。福岡、湯布院、桜島と続いた。

最初に仕掛けたのは玄華会を主宰する川口道子さんで、博多湾に松原を復元しようと言う市民運動のリーダーの川口さんは、「松ぼっくりを持って福岡で逢いましょう」という主旨のメッセージを全国に発信した。

「現代いけばな公募展」にアジアの冠をつけたように、川口さんは常に福岡をアジアの視点で考えていた。「はかた夢松原」もアジアの玄関口博多湾を「白砂青松の海原」に、という気宇壮大な仕掛で、時を経て「博多に昔の松原が復元」「NPO法人はかた夢松原の会(川口道子会長)が全国のふるさとづくりで表彰」という記事を読んだ。人工海浜がどんな松原になったのか、イベントの痕跡とあわせていつか訪ねてみたい。

  


Posted by かとうさとる at 00:33 | Comments(0) | 作品ライブラリー