2008年12月08日

メタセコイヤと豊田市美術館




水面に映えるメタセコイヤと列状の柱が美しい豊田市美術館


円錐形の樹形が美しいことから鑑賞用樹木として親しまれているメタセコイヤは、当初「化石」として発見されたため、長い間、中生代白亜紀末から新世代第4紀にかけて繁茂した絶滅種とされてきたが、1945年中国の四川省で自生種が判明。「生きた化石」として世界を驚かせた。豊田市美術館のメタセコイヤは、美術館と茶室をめぐる池の畔の森を形成。ヘンリー・ムアの「座る女:細い首」との静かな佇まいはいつ見ても心が洗われる。


中川幸夫の独り言

中川幸夫が、まだいけばな界の至宝として秘されていた20数年前、私の家に泊まったことがある。早朝マンションのベランダから遠くの景色を眺めていた中川先生は起きてきた私を見つけて、『かとう君、僕は悔しくて仕方がない。今、僕が展覧会をすると画商さんが世界中のいいものを見にいかせてくれるが、何を見ても「おお」と感動してしまう。もう10年とは言わないが、こんなチャンスがあと5年早くきてくれたら、負けないものができたと思うと悔しい』という意味のことを独り言のように話した。

残念ながら今の自分は、メタセコイヤを見ても、美術館の「不協和音-日本のアーティスト6人」を見ても、「ミシャ・クバル|都市のポートレート」を見ても、感心するだけで、時間が流れていく。この流れをなんとか止めなければ。


中川先生の書簡


  


Posted by かとうさとる at 03:22 | Comments(0) | いけばなから