2008年11月18日

作品ライブラリー(8)中部いけ花公募展









焼いた田圃の土/寸法≒150㎝×70㎝×25㎝/会場:豊田市民文化会館(1985年)


イベントの時代の幕を開く

愛知の人間にとっていけばなの中心は京都で、私も「いけばな批評」(1973~1976)を知る前は、「華道京展」や「阿吽の会」展に何度か足を運んだことがある。「いけばなEXPO81」は、こうした伝統的ないけばなに安住していた中部以西のいけばな界に衝撃的な事件となった。

「中部いけ花公募展」は、名古屋を中心に「いけばなEXPO81」に衝撃を受けた有志が実行委員となって企画したもので、《全国公募のいけばな展を中部地区の各都市持ち回りで開催し、中部地区から現代いけばなを発信しよう》というもので、第1回を豊田市(1985年)で開催した。

シンポジウムのゲストに版画家の池田満寿夫、彫刻家の新宮晋を招いたこの公募展は、「いけばなEXPO81」のイメージと重なり、全国各地から130名余の作家が参加した。こうした流派を横断したいけばな仲間のネットワークは、全国各地の現代いけばなイベントと連動し、いけばなは新たな時代の幕をひらいた。

この作品は中部いけ花公募展に出品したもので、焼いた田圃の土をスコップで切り取って、ドーンと設置したが、確信があったわけではない。正直に白状すれば、当時この仕事の意味についても気がついていなかった。


中部いけ花公募展のポストカード



















  


Posted by かとうさとる at 04:05 | Comments(0) | 作品ライブラリー