2008年11月15日

風土記 四季桜と深まりゆくとよたの秋

9月の末、落ちアユを食べに広瀬ヤナに出かけた。例年ならヤナに落ちアユが落ちる時期なのに生簀の中にアユがいない。「昔のことを思うと1ヶ月遅れている」とヤナの従業員。温暖化は川の中まで進んでいるらしい。
そんな訳で小春日和の12日、近場の里の秋が気になって車を走らせた。


四季桜と小原和紙


紅葉と四季桜のコントラストが美しい旧小原村役場(豊田市小原支所)の四季桜


「和紙の里」として知られる豊田市の旧小原村は、国道419号線を瑞浪方面に向かって北上。約40分ほどの山里で、四季桜が見ごろを迎えた。四季桜の名の由来は、1年に2度、春と秋に咲くことからつけられたもので、「帰り花」のように思われるが、豆桜と江戸彼岸桜が自然交配した品種で、村では7,500本を越える四季桜を見ることができる。四季桜の特徴は開花期間が長いことで、私は初雪が舞う中で見上げたことがあるが、この世のものとは思えない四季桜の淡い光に言葉を失った。こんな楽しみ方は近場に住む者の贅沢で、誰でもというわけにはいかないかも知れないが、お薦め。




小川喜数氏の本間2枚屏風「紅白梅図」(1995年)

小原和紙は古くから伝わる「三河森下紙」をもとに、昭和の本阿弥光悦と称えられた藤井達吉翁が美術工芸和紙として考案したもので、無形文化財保持者(人間国宝)となった山内一生氏、世界の絵本作家が最も美しい紙と称賛する日展参与の加納俊治氏をはじめ、翁の薫陶を受けた多くの作家が連綿と紙を漉いている。



大井平公園と古橋懐古館


燃えるような大井平公園の紅葉。

豊田市の旧稲武町は、長野県根羽村と岐阜県恵那市に隣接する塩の道の要衝として古くから栄えた林業の町で、面の木峠の樹氷、国学者や維新の偉人、儒学者の一大コレクションを公開展示する古橋懐古館は必見。


香嵐渓と足助の町並み


巴川に架かる待月橋と紅葉。見ごろは20日すぎ

豊田市の旧足助町は中馬の中継地として古くから栄えた宿場町で、歴史的町並みや風光明媚な自然と、観光資源に事欠かない足助は、観光客が絶えることがない。中でも香嵐渓は東海地区でも有数の紅葉の名勝として知られており、シーズンになると数10キロの渋滞はザラ。今年はサブプライムローンの影響か、関東や関西方面の遠距離観光バスが減って、反対に近場のマイカー客が増えているそうです。夜の9時までライトアップしており、夜の紅葉狩りもお薦め。  


Posted by かとうさとる at 22:16 | Comments(0) | とよた風土記